"月神"シーンに仕える女神官であり、軍師。生まれはマカジャハット王国。神官としての位階は侍祭だが、今は臨時的に司祭の業務も行っている。

生みの親は不明。物心ついたころには独りであり、生きていくために窃盗を繰り返していた。
転機は窃盗した相手が"月神"シーンに仕える神官であったこと、そしてその神官に捕まったこと。
あまりにもみすぼらしい見た目と言葉すらろくに知らないことから憲兵に突き出されることなく、その神官に保護されることとなる。
そうして名無しであった少女には「ルカミエ」という名と保護した神官と同じ「ラ・アル」という姓が与えられ、「ルカミエ・ラ・アル」という少女が生まれたのだ。

保護してくれた神官以外の周囲にも恵まれ、己も"月神"シーンを信仰するようになりながらすくすくと育つ。
適性があったのか神聖魔法を扱え、上手くできるように学びながら治療の手伝いをしていた。
保護してくれた神官を父と呼び、雛鳥のように後ろについていく小さい姿はその神殿での名物だった。

二度目の転機は、自分と同じような境遇の少年を見つけて、そして救えなかったことだった。
保護するまではよかった。ただ、少年はその時点で病を患っていて、それは手遅れの段階だった。
信仰と共に得た神聖魔法も、先輩たちの治療をサポートするために学んだ看護の技術も届かなかった。
懸命の看病も空しく、程なくして彼は天へと昇る。
父と同じように手を差し伸べて、しかし自分には救えなかったことに一度は塞ぎ込むも、父の叱責と今まで看護してきた人たちからの感謝の声で再起。救えない事はあれどそれは脚を止めることにはならないと決意を新たにするのであった。

そうしてより一層敬虔な神官となったルカミエが冒険者となったのは19歳になろうかという時の事だった。
この頃には神官として侍祭一歩手前の所まで来ていた。
普段と変わらぬ礼拝をおこなっていた所、務めていた神殿の最高位の神官に"月神"シーンの予言があったのだ。
子細は語られず、「ルカミエ・ラ・アルは冒険者となれ」という短い言葉だけ。それだけだとしても従わない理由はルカミエにはなかった。
旅立つ前に正式に侍祭の位を戴き父やお世話になった人々に感謝と別れを告げ、冒険者となって様々な人々と組み別れながら冒険者といて活動していく。
その最中に神官時代でも片鱗を見せていた戦場で人を率いる才も発現させながら数年が経ち、その間に旅の道連れにオルトラックというスプリガンの仲間も得ながら冒険者の活動と布教を続けて。
ルカミエは"村"へとやってきたのであった。

なお、行き先である村にシーンの神官がいなかったため、臨時的な司祭として振舞う許可を得ている。後任が来たら本来の位階である侍祭に戻る予定である。

歌手(シンガー)

祝祭などで披露するために鍛えたもの。これもちゃんとできて神官として一人前という認識もあったため、その歌声は本職にも劣らない。また、戦場でもはっきりと通る声にもつながっている。

基本的には聖歌だが、流行りの歌などを知らないわけではない。むしろかなり知っている。
初めて歌を聴いた時に歌という存在そのものに心惹かれ、今では立派な趣味である。
綺麗に歌い上げる事に熱心となり、時が経つのを忘れることもしばしば。

看護師(ナース)

神官見習の頃から治療の手伝いなどを行っていたので手慣れている。
一人前になった後も治療と並行して続けていた。

A-3-6　「大きな挫折をした事がある」
C-5-1　「物心がついたころには独りだった」
A-5-4　「のめり込む趣味がある」

5-5　「予言によって」

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